私の彼は魔王様
『な なんとかセーフ』

椅子に座り一息つくと友達の毬が話し掛けてきた。

『おはよー。花梨』
『おあよ。』

『なーに、その気の抜けた返事?もっとしゃきっとしなさいな。』

毬は眉間にシワを寄せてあたしを軽く睨んだ。

毬はとっても美人さんだ。さらさらのストレートの髪は腰まである。ぱっちりとした二重に細い体。わが友ながら思わず見とれる程。
『ちょっと、髪の毛ぼさぼさじゃない。それ女の子としてどーなのよ?』

『へいへい』

『まー!がさつな子ね。』

毒舌さえなければもてもてなのに。

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