ツイてない女子は王子に求婚される!!
クーガーに抱きしめられ、菜乃花はクーガーの背中に腕を回した。それだけでも心が落ち着いていく。
馬車は猛スピードで走っているため、飛び降りるなど不可能だ。仕方なく、目的地に着くまで二人はジッとしていることにした。
どれほど走ったのか、馬車が止まる。そこは菜乃花たちが行こうとしていた湖ではない。目の前にあるのは、広大な黒い森だった。
「異世界に来た時、僕は最初ここにいた。魔道士に元の世界に戻れる方法を訊いたんだ。そしたら、異世界に来て六年がすると最初に異世界に来た時にいた場所に元の世界と通じる穴が現れるんだって。菜乃花ちゃん、一緒に帰ろう。そして僕と結婚しようよ……」
ストーカーは馬車の扉を開け、菜乃花を外に連れ出そうとする。それをクーガーが間に入って止めた。
「そうはさせない。菜乃花はお前を嫌がっている」
「何だよお前!!王子だからって人の恋を邪魔するなんて最低だぞ!!」
クーガーとストーカーは激しく睨み合う。菜乃花はクーガーの横顔を見つめていた。真剣な顔も、とてもかっこいい。
馬車は猛スピードで走っているため、飛び降りるなど不可能だ。仕方なく、目的地に着くまで二人はジッとしていることにした。
どれほど走ったのか、馬車が止まる。そこは菜乃花たちが行こうとしていた湖ではない。目の前にあるのは、広大な黒い森だった。
「異世界に来た時、僕は最初ここにいた。魔道士に元の世界に戻れる方法を訊いたんだ。そしたら、異世界に来て六年がすると最初に異世界に来た時にいた場所に元の世界と通じる穴が現れるんだって。菜乃花ちゃん、一緒に帰ろう。そして僕と結婚しようよ……」
ストーカーは馬車の扉を開け、菜乃花を外に連れ出そうとする。それをクーガーが間に入って止めた。
「そうはさせない。菜乃花はお前を嫌がっている」
「何だよお前!!王子だからって人の恋を邪魔するなんて最低だぞ!!」
クーガーとストーカーは激しく睨み合う。菜乃花はクーガーの横顔を見つめていた。真剣な顔も、とてもかっこいい。