例えば、こんな始まり方
手には、スターチスをメインにしたドライフラワーのリースを持っている。

「真由・・・これを」

「私に・・・?なんで?」

「今日で、出会って1週間だよ」

「だっけ?」

「あれ?8日か」

2人で笑ってしまった。記念日も覚えていないなんて。

「スターチスの花言葉、知ってる?『永遠に変わらない心』だよ。さすがに、まだ、正式なプロポーズは出来ないけど、君をすごく大切に思ってる。真由、君とずっと一緒にいたい」

「ありがとう・・・私も、純一くんとずっと一緒にいたい。・・・これ、どこに飾ろ?」

「ダイニングテーブルの脇の壁でいいんじゃないか?」

ピンを押して、リースを止める。

「紫色のは、スターチスだけどアプリコット色のは?」

「あぁ、それもスターチスなんだって。最近は色々な色のスターチスがあるみたいだよ」

「へぇ・・・可愛いね」

「真由ほどじゃないよ」

「もうっ、照れることを真顔で言う!」

純一の顔が私に近づいてきて・・・キス。

「今日は、色々あって疲れちゃったから、ここまでね」

「ちぇっ!・・・真由、あっという間の1週間だったけど、一緒にくぐりぬけてきてくれてありがとう」

「純一くんこそ、私に新しい世界を見せてくれてありがとう」

「今日は、くっついて寝よっか」

「うん」

寝る準備をして、2人はベッドに入った。

「純一くん・・・こんなに早く人を心から愛することがあるなんて思ってもみなかったけど、ホントに愛してる。純一くんなしの毎日なんて考えられない」

純一が優しいキスをくれる。

「僕もだよ。『例えば、こんな始まり方』が僕たち流だったんだよな」

「悠翔さんは、セーラさんとどんな風に出会って、恋をしたんだろう。話、聞きたかったな」

「また、いつでも、聞けるよ」

「私に似てるセーラさん。どんな人なんだろ」

「セーラさんがどんな人でも、真由は真由だよ。愛してる、真由」
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