例えば、こんな始まり方
「友達は?」

「みんな大阪。可愛そうでしょ、ここに知り合い君しかいないんだ」

ここは、東京、吉祥寺。なんでまた、こんなとこに大阪ボーイが。

「どうやって、ここまで来たの?」

「へへ、ミステリーだろ?」

はぁ。疲れる。

「あなた、いくつ?ミステリーも嘘もなしで、答えてね」

「26。君は?」

「23歳。印刷会社の総務勤務よ。あなたは・・・一文無し?」

「イエース、ザッツ、ライト!」

なんなんだ、このノリは。

「ご両親は?」

「母親は15のときに出てった。親父は、一昨年、病気で死んじまった」

「・・・ごめんなさい」

「謝ることないけど・・・可愛そうでしょ、僕♪」

なにを、楽しそうに~。

「今まで、何してたの、って聞いても、ミステリーなんでしょ?」

「なかなか飲みこみ早いね、君」

もうっ!!なんなのよぉ!

「名前くらいは、教えてくれるわよね?偽名はなしよ?」

「うん。中山純一だよ。君は?」

「北野真由よ」
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