メーティスの猛毒
「そういえば、今度の日曜日に犯罪者の加害者家族の集まる会があるそうだ。それに彼女も参加するかもしれない。その時に……」

村田刑事の提案に、透たちは頷く。

自分の体の中に猛毒があり、そのせいで動物たちが死んだなど、とても残酷な現実だ。それを突きつけてしまうのは胸が痛む。しかし、それを伝えない限り、猛毒を取り除くことはできない。

葛藤する透を、玲奈が見つめていた。そして、美咲は何かを言いかけてやめた。



日曜日。透たちは香奈には何も言わずに犯罪者の加害者家族が集まる会に出席した。

椅子に座り、加害者家族の話を聞く。玲奈がどこか退屈そうだったため、透は玲奈を小突いた。

「真面目に聞けよ」

「寄生虫のことを考えていただけだ」

「それは真面目に聞いてないだろ！」

「私は寄生虫学者だぞ？寄生虫のことを考えなくてどうする？」

「二人とも静かに！！」

村田刑事と美咲に言われ、透は「すみません……」と謝る。玲奈はお前だけが悪いと言った顔だったので、怒鳴りたくなった。
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