貴方があまりにも綺麗に笑うから
私に力があればと神頼みしたある日
私に力が宿った
でも
それには代償がある
零那様の目を治す代わりに
私は桜になると言う
そんな
辛い事
でも
私はそれを知っても尚
その力を手に入れた
貴方様が聞いたら何とおっしゃるか
だから
私は日記を書くことにした
「目よ治れ」
貴方様が寝ている間に
私は力を使った
「粉雪」
私の名前を呼ぶ貴方様の顔は顰めていた
知っていたのだ
そうわかっている
「愛しい人でした」
「いつまでも愛してる」
最後の口付けは
優しく
どこまでも
愛しかった
「ありがとう、私の旦那様…」
「粉雪っ」
私が桜の花びらになる最後まで
貴方様は抱きしめてくれた
ありがとう
愛しい人………
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