やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「なんですか?」
和哉の胸の中で莉緒が和哉に聞く。
「頑張ったご褒美ってとこかな」
「・・・」
「本当はもっと早くこうしたかったんだけど。さすがに俺も人目は考える年齢だし。」
「・・・」
あたたかなぬくもりが莉緒の体を包み込む。

「いっただろ?お前が自分に厳しい分、俺が甘やかすって。」
「・・・」
莉緒もはっきりとその言葉を覚えている。

「お前の過去の話はもう聞かない。俺がワインで酔ってるときに聞いた話はもう忘れたしな。」
「・・・」
「でも、そんなお前ごと、俺は好きだよ。」
「・・・」
「不器用で強がりで、まっすぐなお前も。好きだ。」
どきどきして莉緒は自分の全身が熱くなるのを感じた。
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