やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
部長の過去
「本当にすみませんでした!」
「声がでかいんだよ」
復帰した古屋が莉緒と和哉の前で頭を下げていた。
和哉が出張から戻ってから2週間が経っていた。

古屋は徐々に調子を戻していけるように、短時間から仕事に復帰した。
莉緒と和哉は時々目をあわせて微笑みあう程度で、なかなかゆっくりとした時間は過ごせていない。毎日メールは交わすものの、和哉は出張から戻り、〇〇デパートのコンサルタント業務が立て込み、忙しい毎日を過ごしていて、莉緒は莉緒で抱えている仕事が多くて週末もそのリサーチにお互い追われていた。

復帰した古屋が和哉のデスクに莉緒と一緒に挨拶に来ていると、和哉が古屋を見て嬉しそうに微笑みながら、立ち上がった。
「無理はするなよ」
「はい」
「徐々に取り戻せ」
「はい」
「でも、市橋がかなり今負担が大きいから、サポート頼むぞ。」
和哉がちらりと莉緒を見る。
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