やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
かなり忙しそうな莉緒を気遣いながらも自分の仕事に追われている和哉は時々、莉緒の机に誰にも気づかれないように栄養ドリンクや莉緒の好きなプリンやケーキをあげていたが、仕事のサポートまでは手が回っていなかった。

「よろしくね」
莉緒も少しほっとしたような表情だった。
「もちろんっす。頑張ります!」
「だから声がでかいんだよ」
意気込む古屋に和哉が笑う。
莉緒もつられて笑っていた。

莉緒と古屋はさっそくペアを組み仕事を始めた。
主に莉緒が外回りを担当し、古屋は当分デスクワークだ。
それでも、データづくりが得意な古屋の存在は莉緒の仕事のペースアップにつながった。

「部長、忙しそうっすね」
「そうね。デパートのリニューアルのお披露目会が今週末だから。」
「俺も行けたらよかったんですけど。」
「ダメ。病み上がりでしょ。また休まれたら困る。」
残念がる古屋に莉緒はくぎを刺した。
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