やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「どれっ!風呂入るか!」
和哉がそう言って立ち上がる。
「湯船つかってゆっくりするだろ?」
すたすたと浴室へ向かい、着ている部屋着の袖と裾をめくりあげる和哉。

莉緒も手伝う気持ちで後ろをついてくる。

浴室の扉を閉めようとした和哉が後ろをついてきた莉緒に気が付く。
「手伝います」
と自分の後ろをついてくる莉緒に、和哉は微笑みながら足を止めた。
「おまえ、俺のツボを心得すぎだろ」
「え?」
莉緒が和哉の顔を見ながらその言葉の意味を探していると、和哉は莉緒の体を自分の方へ抱き寄せた。
そして、莉緒の耳元で恥ずかしそうに小さな自信のなさそうな声でささやく。

「一緒に入るか」
「・・・」
和哉の言葉に何も莉緒が反応をしないでいると、和哉が「よっ」と莉緒の体を抱き上げた。
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