やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「え?マジっすか?」
莉緒は隣の古屋の腕をとんとつつく。
小声で「言葉」というと古屋は頭をかきながら和哉に謝った。
「すみません。つい、びっくりして」
「頑張れ。市橋はあくまでフォローにまわってくれ」
「はい」
「いいんですか?俺で」
「あぁ。ここ最近の仕事を見てると大丈夫だ。ただ、焦ったりてんぱるとお前はミスする傾向があるから、そういう時は市橋にチェックを必ず頼むこと。」
「はい!頑張ります!」
張り切る古屋を見てから、莉緒と和哉は目をあわせて笑った。

こうして職場でも毎日何らかの変化がある。

「おめでとう。独り立ちね。」
「頑張ります!」
席に戻ってから莉緒が古屋に声をかけると、古屋はスーツのジャケットを脱いで、シャツの袖をまくり上げて、張り切り始めた。

微笑ましく思いながら莉緒も微笑む。
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