やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「そうですね」
納得できる話に莉緒は頷く。
どうしても後輩を守らなければと思ってしまうのが莉緒だ。失敗したらやめてしまうかもしれない。あきらめてしまうかもしれないと不安で、必要以上におぜん立てしてしまうことも多い。
「俺はあいつを信じてる。大丈夫。あいつは大丈夫だ。」
自身たっぷりにそういう和哉に、莉緒は微笑む。
「ん?なんだ?」
ちらりと莉緒を見て和哉が不思議そうにしている。
「やっぱりすごいです。部長は」
「ん?」
「尊敬してます。」
「それはどうも」

誰かを信じられること。その信じる気持ちに自信を持てることは簡単にできることじゃない。

莉緒はこの人を好きになってよかったと心から思った。

「あんまり守りすぎるなよ。」
「え?」
「古屋のこと。愛のムチだぞ。」
「はい」
莉緒は笑いながら頷いた。
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