僕らだけのsweetie
涙を流す女性に、オーブリーは安心させるように微笑んだ。

「大丈夫です。私が必ず悪魔の恐怖からみなさんを救います」

オーブリーの言葉に、村人たちは歓喜の声を上げる。村はまるでお祭りのような騒ぎとなっていた。

今日は日が暮れ始めたため、オーブリーは宿で休むことにした。悪魔を倒すのは明日だ。

「絶対に倒す……」

そう呟き、オーブリーは山を睨み付けた。



山の中にある古びた屋敷。そこは昔は貴族の別荘だったらしいが、今では悪魔の住処となっている。

「なあなあ、村にまたハンターが来たらしいよ〜」

柘榴色の髪をした男性がふわふわと空中に浮きながら言う。男性には尖った角と尻尾が生えていて、悪魔だと一目でわかる。

「ハンターたちも飽きねえよな。俺らには敵わないねえのに……」

気怠そうに黒髪に桔梗色の目をした男性も言う。彼にも角と尻尾がある。その男性は同意を求めるかのように、残りの二人を見つめた。
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