ホワイトデーにくちづけを
口元がふにゃってなるから、もう恥ずかしくてたまらない。


「うん、今日のところは受け取ってもらえただけで充分だから、こっちこそありがと。じゃ、俺帰るわ」


言って彼が鞄を持ち立ち上がる。


え、うそ。これで、ほんとに帰っちゃうの?


先輩、自分の言いたいことだけ言って私の気持ちは宙ぶらりんのままなのに。


やだっ、このまま離れたくない。


「待って」


気づけば私は、今まさに部屋を出ていこうとする先輩の後ろからそのたくましい背中にしがみついていた。


「・・・っ」
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