堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「いや、謝る必要はないけどびっくりだよ。おめでとう。世良さんにはもう話したの?」
「実はまだで……。今日、タイミングを見てお話しするつもりではあるんですが」
開店前のこの時間、彼はケーキの仕上げ作業に余念がないので邪魔はできない。だから、休憩の時か閉店後にでも話せたらと思っている。
「ショック受けるだろうなぁ。結局、彼は自分の師匠と同じ道を辿ったわけか……」
「師匠と同じ道?」
「うん。詳しくは私の口からは言えないんだけどさ。職人ってこう、不器用なわけよ。ケーキ作るのはうまいくせにさ」
上尾さんはため息混じりに話しながら、ようやくボタンを留め始める。
話が抽象的すぎてよくわからなかったが、世良さんがいろいろと不器用だと言いたいのだろう。それには私も同意する。
「ところで、旦那様になるのはどんな人? 写真とかないの?」
「あ、すみません。写真はなくて……見た目は少し日本人離れしてます。お祖母さまがオーストリアの方なので、髪とか瞳の色が薄くて、身長も高めで」
「うわっ、なにそれ超イケメンそう~! ますます見たい~」