堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

「別に、これからも今まで通り接してくれればいい。ただ……どうしてもつらくなった時には遠慮なく言ってほしい。力になるから。もちろん、下心抜きでな」
「世良さん……。ありがとうございます」

 私が彼の気持ちに応えられないと知っていて、それでもこんなふうに優しくしてくれるなんて。彼の器の大きさに、不安だらけの心が落ち着きを取り戻していく。

 私の周りにいる人たちは、みんな優しい人ばかりじゃない。世良さんも、上尾さんも、お母さんも、お兄ちゃんも。――そして、志門さんも。

 だからきっと、大丈夫。彼は友里恵さんの言葉になんて、惑わされたりしない。

「じゃ、帰るぞ。今夜はメシ食って早く寝ろ。体が資本だ」
「ですね。この子のためにも、私が元気でいなきゃ」

 お腹を撫でながら、世良さんに笑いかける。ようやく自然な笑顔を浮かべることができた私に、彼もホッとしたように目元を緩めて頷いてくれた。

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