堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
薄茶色の瞳に熱を孕ませて徐々に近づいてきた彼は、私を優しく壁に追い詰めて手首を縫い付け、唇を重ねてきた。
柔らかくて、甘い感触……一瞬で体の力が抜けてしまうような、とろける味がした。そのうえ彼の纏うフレグランスが昼間よりも濃密で官能的な香りに変わって、私をくらくらさせる。
「ん、……志門、さ」
「キスをしただけでそんなにかわいい声で鳴くのか……。ベッドの上に連れて行くのが楽しみだ」
息のかかる距離でささやかれると、得体のしれない感覚が私の中をぞくりと駆け抜けた。志門さんの唇が、二度、三度と重なり、息継ぎのためにわずかに開いた唇の隙間から、濡れた舌が忍び込んでくる。
私は驚いて自分の舌を奥に引っ込めてしまったけれど、志門さんの舌は器用にそれを探し当て、ねっとりと絡ませ合い、混じり合ったお互いの唾液を啜った。
頭の芯がしびれてきて、理性が遠のくのを感じる。私は次第に、自分からねだるようにキスを求めていた。
「瑠璃……」
「志門さん……」
互いの名を呼んでは、貪るようにキスをして。ふたりだけの廊下には、この高貴な王宮の歴史を冒涜するかように淫猥な口づけの音が、長いこと響いていた。