世界No.1の総長と一輪の花 ホワイトデー特別編
小さく振動した袋は、花莉からさっき預かったもの。ぬいぐるみが入った、あの袋だ。
……まさか
袋の中を見ると、スマホが一台入っていた。
それは、花莉のもので……。
嫌な汗が出てくる。
スマホを持っていない、何も知らない花莉は、戻ってきて俺がいなかったら……探しに行くだろう。
大人しく待っていて欲しいところだけど……。
1番怖いのは、他の族の野郎に見つかって、花莉が誘拐されることだ。
今日花莉とここへ来て、ちらほらと知った顔を見かけた。あっちが近づいてこなかったから何もなかったけど、花莉が1人になるとなにがあるか…。
「次のお客様、こちらのレジへどうぞ!」
そんな声が聞こえてきて、はっと我に返る。
前を見ると、俺の前に並んでいた男はいつの間にか会計を済ませていて。
俺は急いでレジへと足を進め、会計を済ませてから全速力で花莉と別れた場所へと戻った。