転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
魔法塔に到着する。先ほどまで晴天だったのに、空は曇天。周囲は濃い霧に包まれる。なんと、驚いたことに、これらの気候は魔法によって作られたものなのだとか。

「魔法塔には貴重な魔法書や魔道具が保管されております。それゆえに、外部の人間に見つからないように、このような魔法が施されているとお聞きしました」

「へえ、そうなんだ」

魔法塔は天を衝くように建っているようだが、雲や霧に覆われていて全貌は確認できなかった。

馬車が停まる。招待客はそこまで多くないのだろう。回転道路(ロータリー)に渋滞は起きていないようだ。御者が扉を開いてエスコートしてくれる。

「さあ、これからが本番ですからね。背筋をピンと伸ばして、表情は明るく、朗らかに」

「はあ」

気合いバッチリな付添人の後ろを、のろのろと進んでいく。エントランスも人はまばらだった。
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