転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
校門前で迎えの馬車を待っていたら、背後から女子生徒の会話が聞こえた。

「ねえ、驚いたわね! まさか、あの、国家魔法薬師であるアルノルト様が、一年間限定で魔法薬学科の先生をするなんて」

「ええ。うっとりするほど、美しかったわ」

社交界に出てくることはなかったが、その美貌は噂の中心になっていたらしい。有名になるきっかけが、とある貴族令嬢に言い寄られ、爵位を授けたあと結婚するという話を冷たく一蹴した件だそうな。あまり、他人の噂に興味がなかったので、聞き逃していたのだろう。

国家魔法薬師は国王陛下の覚えもよく、身内に引き入れたいと思う者がいるようだ。それが、娘との結婚という形だったというわけか。

「でも、なんで先生をすることになったのかしら?」

「それがね、ここだけの話なんだけれど……」
< 39 / 245 >

この作品をシェア

pagetop