好きな子を守れなかった代償
「岩本さん、何かオススメの映画とかある?」

「う〜ん……。ジュマンジかな。何回も見ちゃうくらい面白かった!」

「ありがとう、早速借りてみる」

映画の話をする時、芽吹はとても素敵な笑顔を見せてくれた。そして、いつしか航は芽吹のことを好きになっていた。

芽吹は優しく、大人しい性格だ。幼い頃にイタリアに住んでいたためイタリア語を話せるが、それを自慢したりしない。このクラスの中で一番のいい子だろう。

芽吹のどこが気に入らなかったのか、二年生になった頃に航たちは女子に言われたのだ。

「今日からあの子をいじめる。あの子を助けたりしたら助けた奴もいじめるから!」

そうして無視から始まり、物を壊したり隠したりする、悪口や陰口を言うなど、いじめはどんどんエスカレートしていった。

芽吹が涙を流すたびに、航は胸が痛くなった。助けたくなった。しかし、そのたびに自分がいじめられるかもという気持ちが生まれてやめてしまうのだ。
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