好きな子を守れなかった代償
その笑顔の意味を航が知るのは、卒業式の時になる。



二月は、航は友達と遊びに行ったりする中で芽吹のことを想っていた。

芽吹は今頃何をしているんだろう?きちんと笑えているのだろうか?そんなことを一日のどこかで考えた。

「そういえば、岩本さんって進路どうするんだろ……」

気になったことをポツリと航は口にした。友達も「さあ?」と首を傾げる。

芽吹の進路を航をはじめクラスメートは誰も知らない。あの時聞いておくんだったと航は後悔した。

そして、二月の登校日の時に芽吹の姿はなかった。先生は何も言わず、クラスメートもなぜ芽吹がいないのか訊かない。いじめている人たちは「やっとウザいのがいなくなった」と笑っていた。

「……何で……」

芽吹の席に、ショートカットの女の子はいない。久しぶりに会えると思っていた航はショックを感じた。

そして、登校日から数日後。航たちは卒業式を迎えた。航は芽吹の姿を探したが、芽吹は教室にいない。そして、芽吹のいないまま卒業式は始まった。
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