あなたとあたしを繋ぐもの
上の空で、今にも夢の中へ飛んでいきそうなあたしを現実に引き戻したのは、ポッケの中のケータイだった。マナーモードに設定されたケータイは、控えめにブーブーとあたしを呼んだ。

先生の目を盗んで、机の下でこっそりとケータイを開く。


<<新着メール1件>>

あて先は、見たことのないアドレスからだった。誰だ?と思いつつ、恐る恐る本文を見てみると、送り主は以外な人だった。

<<やっほぉ♪アズサです!葵ちゃんにアド聞いてメールしました☆いきなりなんだけどさ、栞ちゃん土曜日の夕方から会えたりしない??懐かしい人が遊びに来るんだけど(^^)その人も栞ちゃんに会いたいって言ってるんだけど、どお!?>>

アズサちゃんとは、幼稚園から仲良しの友達。とは言っても、明るくてリーダー気質なアズサちゃんと、その正反対な性格のあたしとでは、あまり深く関わることはなかった。

そんなアズサちゃんから突然メールが来て、しかも会える?とか、懐かしい人がくるとか言われ、あたしは少し混乱していた。とりあえず、土曜日は空いているという事と、懐かしい人って誰??っていう必要最低限な事だけを打ち込んで返事をした。

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