白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「桃ちゃん、
朝から魔王様みたいな目で
俺のことを睨まないの」
「十環先輩は
私の黒歴史を面白がっていますよね?」
「そんなことないよ。
りっちゃんに全部バラしたら
どんな顔をするかなって思っただけで」
この……悪魔。
王子様みたいに
おっとりした口調の悪魔。
六花は私が中学の時に
番長をしていたことも
中学の時の下僕たちに
女王様みたいな態度をとっていることも
知っている。
バスケの練習試合の応援の時に
見られちゃったから。
でも、
男とケンカをしている時の
私については
詳しくは話せないでいる。
きっと怖がるから。
真ん丸な目をウルウルさせて
私のことを怖がるから。
今私が一番恐れていることは
いつも私の隣にいてくれる
大好きな六花が
私から離れていかないかってことだから。
「十環先輩
今、なんて言いました?」
「だから
りっちゃんに全部バラしたら……」
「六花に私の黒歴史を全部バラしたら……
十環先輩のこと
真冬の海に突き落としますから」
憎悪を最大限にこめて
不気味な笑顔を十環先輩に向けた。
「桃ちゃん、目が笑ってないよ。
真冬の海に突き落とすなんて
冗談に聞こえないからね」
相変わらず
微笑み続ける十環先輩。
悪魔が乗り移ったような私の呪縛を
キャラメル色の髪をなびかせた王子様が
一瞬で解いた。
「よくできました」
甘くて優しい声とともに
私の頭をポンポン。
ん?
なんで今、褒められた?