白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「これからも見せてね。
女王様の桃ちゃんを」
はい。
たった2文字答えるだけなのに、
私の口は開こうともしなかった。
「桃ちゃん、どうかした?」
心配そうに見つめる王子様。
十環先輩の透き通った瞳を見た瞬間
私なんかが先輩の隣にいるなんて
おこがましいなって思えてきた。
心配させないように、笑いたいのに。
固まった頬は動こうともしてくれなくて
結局うつむいたままぼそりと言った。
「今日のお昼は……
六花と二人で食べますから……」
「え?」
「私、先に行きますね」
目をパチパチさせながら
首をかしげている十環先輩から
逃げるように、
私は学校に向かって駆け出した。