白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「十環くん、
彼女とお昼食べないの?」
「あ……うん」
「じゃあさ
今から私たちと教室で食べようよ」
「他のクラスの女子には内緒ね」
……またこの感じ。
桃ちゃんが仮の彼女に
なってくれる前までは
これが当たり前だった。
いつでもどこにいても
女子たちに囲まれて、
俺はとりあえず笑って
話を合わせていた。
そうすれば
紛らわすことができたから。
会いたくて会いたくて
しかたがないくらい大好きな
結愛さんへの想いを。
女の子たちに
囲まれるようになって
女の子はみんなかわいいなって
思うようになったし。
俺の傍にいてくれて
ありがとうとも思っていた。
それなのに今は
女子たちに囲まれるくらいなら
一人でいる方がまだマシだって
思ってしまう。
それ以上に
桃ちゃんと笑いながら
お昼を食べたいなって。
もう一度、深いため息が出た。
は~。
しょうがないか。
笑顔を作らなきゃな。
「みんなで、お昼を一緒に食べよっか」
俺を囲む女子たちに
即席の王子様スマイルを向けた。