白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
女王様の自分でしか
十環先輩への思いを隠しきれないから。
「何、甘えたことを言ってるんですか?
私、情けない男には
回し蹴りをくらわしますけど
それでも良いですか?」
「……回し蹴りかぁ。
顔はいやだな」
「私の下僕たちは、
喜んで蹴らせてくれますけどね
顔でも、腹でも」
私の女王様ぶりに
フフフとやっと笑顔を見せてくれた
十環先輩。
何をやっているんだろうな……
私……
十環先輩の大好きな結愛さんと、
真逆タイプの女王様を
演じているなんて。
自分でもバカだと思う。
十環先輩の理想の女性に近づけるように
かわいく笑いたいなとも思う。
でも十環先輩が求めているものは
恋なんかじゃない。
大好きな結愛さんとの思い出を
ごまかすために
十環先輩を笑わせられる相手。
それは……
龍兄の妹で。
元、ヤンキー番長で。
女の魅力ゼロの私なんだ。
「桃ちゃん
これからも仮の彼女、よろしくね」
十環先輩の涙交じりの甘い声が
耳に届いた。
そして残酷な微笑みが
私の心をえぐるように
深く深く突き刺ささった。