同じ空の下~想い描いた2人の夢~
「今日からの作戦だが…」と主将は言い出した。

「前半の試合で乃木をピッチャーとして起用する」と断言した主将に

「…えっ?なんで…」と言ったのは指名された本人、乃木くんで。

「多分俺ら的には、野田高校以外大したことないと思ってる。俺の知る限り、乃木がマウンドで気張れば行ける!って。何かあったり、ピンチに追い込まれた時は、樹がいるから安心して気張れるだろう?」と主将は言った。

「…確かにそうかも知れませんが…」と不服そうな乃木くん。

「温存だ。いくらなんでも、7試合やって、甲子園でもとなると、樹に負担がかかりすぎる。ピッチャーがどれだけ負担になってるかは、春馬を見てたらわかるだろう?後半の方は樹に思い切り暴れてもらう予定でいる」と主将は言った。

そーゆうこと?二人のピッチャーに同等の負担にすることで、精神、身体共に負担を緩和させるのが目的ってことね。

やっぱりちゃんと考えられてたのね。

私はホッとした。

「けど、俺じゃとても…」と乃木くんは謙遜。

「いや、主将の考え方、俺は正しいと思う。それに、そんなに謙遜しなくても乃木くん、大丈夫だよ!樹がサポートしてくれるし、皆強くなってる。皆を信じてやりな。それに…努力してきたの気づいてるよ?ちゃんと…新たな武器として新しい球種も覚えたでしょ?絶対行けるから!自信持って堂々と投げればいい」お兄ちゃんがそう、乃木くんを励ましてくれた。

乃木くんはその言葉に力を貰ったのか、

頑張ります!と笑顔を見せた。

「…春馬はどこかで出なくていいのか?」と主将は話をふる。

「俺?無理だよ!肩酷いからさ。ボールどころかバットもろくに握れないしね」と春馬先輩は言う。

「…それで後悔しないのか?」と主将

「…しないよ!だって樹が、俺のユニフォーム着て、俺を背負ってマウンドに立ってくれるんだよ?こんなに感慨深いこと無いよ」と春馬先輩は笑った。

私はそんな先輩の為に、何としても甲子園連れていこうって自分に誓った。

「皆も気は抜くなよ?最後まで何があるかわからないのが試合であり、楽しみの1つでもあるからな」とお兄ちゃんに言われて、皆は大きく頷いた。

そうこう話してるうちに会場に着いた。

さすが、県大会が行われる会場…

すでに熱気が凄い。緊張する。私たちはベンチに入った。

両チームの挨拶があり、試合は始まった。

私たちの攻撃は後攻(裏)になった。

いきなり投げることが決まった乃木くんはかなり緊張しているように見えた。
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