同じ空の下~想い描いた2人の夢~
トップバッターは三年のセカンド、ハマタツこと、浜田竜也先輩からだった。

飛ばしすぎないをモットーに慎重かつ、丁寧に言った。

見極めが難しいボールもきっちり見極めており、歩く選択をした。

そのあと、二番バッターが豪快なスイングでボールを飛ばす。

飛距離はかなり伸び、長打コースとなった。

そしてノーアウトで2、3塁のチャンスを迎える。

迎えるバッターは主将だ。

主将の豪快な一振りは犠牲フライになったが、塁は進んだ。

そのあと、1人が三振に倒れ、次のバッターも空ぶった。

チャンスは作ったものの一回裏の攻撃は1得点しか出なかった。

そう簡単には得点なんてできるはずもないことを皆は感じたが、手応えはあった。

2回表が始まる。

皆は笑顔で守備に散り、乃木くんも自信を持ってマウンドに上がった。

深呼吸をして…肩とちゃんと会話して…乃木くんが構える。

キャッチャーのリードが乃木くんのボールを誘導し、狙い通りのところにボールは収まった。


チャンスは作るものの、1対0のまま、5回まで進んだ。

5回裏、ウチらの攻撃、試合が再び動く。

私は相手のピッチャーを分析し、皆にアドバイスをした。

そしたら、覚醒したかのように、バットにボールが当たり始めた。

私はその様子を微笑ましく眺めた。

相手の舌打ちが聞こえそうなくらいだった。そしてこの回、得点を量産した。

さて、そろそろ向こうもピッチャー変えてくる頃かしら?なんて思いながら1人、にやけそうになった。

気づけばこの回5点は入っていた。

そして、乃木くんの頑張りもあり、相手に1得点も与えなかった。

六回表、乃木くんは初めてヒットを許した。

六回も、投げ少し疲れが見え始めなくも無いけど…

乃木くん大丈夫かな?ヒットを許したことに動揺しなければ良いけど…

私の不安は…的中…しない?!

乃木くんは初回に比べて随分安定していた。

どころか闘志に火がついたのか、乃木くんのボールが変わった。

新しく練習を重ねてきたチェンジアップを使ってきた。

「あれって…」と春馬先輩が言う。

「最近、新しい武器になればって練習してきたチェンジアップね。ここで使えるとはね」と私は言いながら、少し魅入ってしまった。

「アイツ…やるじゃん!」と春馬先輩は言う。

「やっぱり、カッコいいし、頼りになるわね」なんて私は独り言で呟く。

春馬先輩が複雑そうな顔をして私を見たことなんて気づくこともなく。

「ホントに、頼もしい」とお兄ちゃんまで言ってるし。

見事なチェンジアップで相手バッターを上手く翻弄している。

チェンジアップでバッターを沈めた。

ヤバイ…今のはキュンってなってしまったわ。

「かっけぇなぁ、あれ…」とお兄ちゃんが言う。

ほら!お兄ちゃんの心にも刺さってる!

私とお兄ちゃんってやっぱり似てるんだよね。そういうとこ。
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