同じ空の下~想い描いた2人の夢~
8番のキャッチャーから始まる打順、バッターボックスに立つキャッチャーとすでに準備を始めてる乃木くん。

何かぶつぶつ言ってるように見えるが聞き取れない。

「いきなり変わったよな?乃木…」と主将は言ってくる。

「…あれは間違いない憑依型だ」とお兄ちゃんは断言した。

「…えっ?憑依型…?」と言う主将に

「ごく希にいるんだよ。プロでも…」とお兄ちゃんは言った。

キャッチャーは派手に飛ばしてくれた。

中々の飛距離で、2塁を回っていた。

そして、迎えるのは乃木くん!

相手ピッチャーは少し動揺してるように見えた。

うちのピッチャーなめんな!私は心の中でそう呟いた。

乃木くんがバッターボックスに向かう。

えっ?左?

普段右の乃木くんが左のバッターボックスに立った。

「憑依されたの、左バッターなんだ?」とお兄ちゃんは言う。

私たちは唾を飲み込み、見守った。

一発目からフルスイングしてきた。

三球め、相手が投げた球は甘く入った。

それを見逃さない乃木くん。完璧に合わせてきた。

そして…カッキーンと大きな音色を響かせ、飛ばした。

嘘でしょ?!ホームラン?

パワーで打った球はどんどん飛距離を伸ばした。

乃木くんとキャッチャーは帰って来て、二点追加。

8対3になった。

それ以降はアウトを取られて、この回、二点の追加止まりとなった。

八回の表、マウンドに向かう乃木くん。

援護点をもらい、気持ちが楽になったのか、憑依はされてないように見えた。

乃木くんが投げた球は120後半のチェンジアップだった。

憑依から抜けても、確かな腕があった。

ストレートも125は出している。

一点は追加され8対4となったもののそのあとをしっかり抑えているため、リードは守られた。

そして…八回裏の攻撃。

殺気たった相手ピッチャーの乱闘により、試合は大荒れになった。

デッドボールが二人続いてしまい、降板を余儀なくされた。

そして、別のピッチャーが出てきた。

ペースを完全に狂わされた皆はダブルプレーを取られ、直後には高く打ち上げてしまい、アウトを取られ、追加点はなく、この回を終えた。

「さ、ラストマウンドだよぉ~乃木くん!キッチリ終わらせてきてね!」と私は言って乃木くんを送り出した。

皆も、しゃぁ、と気合いを入れ直して自分の場所へと散っていった。
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