同じ空の下~想い描いた2人の夢~
9回表が始まった。私も含め、皆がドキドキしていた。
乃木くんはストレートから攻めていく。内角の際どいギリギリのラインを確実に決めてきた。
やるじゃん!中々…いい球…
バッターがバットにボールを当てられない。
当たってもせいぜいファールになり、タイミングは合っていない。
流れは確実にうちにある。
と、思った瞬間…バッターが大きな音色を響かせた。
いい当たりだ。最後にして魂のこもった一球って感じでどんどん飛距離を出してくる。
必死に追いかける先輩方…
私は祈るように試合を見つめた。
『どうか…アウトになってくれ…』と。
でも、そんな私の祈りは届くことなく、あっさり一点を取られてしまった。
かなりの長打だった。
悔しそうな乃木くん。歯を食い縛っている。
でも、乃木くんだけじゃない。
悔しいのは皆一緒だ。でも、まだ一点、徐々に詰められてはいるけどまだリードはある。
乃木くんならきっと大丈夫!
私は皆を、乃木くんを信じている。
けど、乃木くんはすでに気持ちを切り替えていた。
私は純粋に嬉しかった。県予選のマウンドに上がり、初戦にしてここまで戦いきった乃木くん。
随分成長も見られたし、私は誇らしかった。頼りになる後輩だなぁって。
諦めない粘り強さと、刻まれた絆…
乃木くんは綺麗に投げきった。
最後のボールはツーシームだった。
相手のバットが空をきり、ゲームセット…。
五点は取られたものの、初戦はなんとか勝ち取った。
乃木くんの頑張りで。
「お疲れさま~乃木くん良く頑張ったね!」と私は乃木くんに声をかけた。
「最後、ツーシームだったよな!?」と興奮気味に言う春馬先輩。
「そうでした。あれが決まったのは嬉しかったです。いい手応えを感じました」と乃木くんは笑った。
帰りのバスの中、主将が、
「何で憑依型だってこと黙ってんだよ!」と乃木くんに言った。
「…自分が憑依型だって知ったのは…小5の時だったんです。でも、それがコンプレックスで、誰にも言えなくて…でも、良く気づきましたね。隠してたつもりだったのに」と乃木くんは言った。
「俺らも最初は気づけなかったんだけど…藤堂さんが、間違いなく憑依型だって言うから…」と主将。
「プロにもいるしね。ウチのチームの幸哉がそうなんだよ。だから気づいた」とお兄ちゃんは言った。
「そうでしたか」と乃木くんは言った。
「…コンプレックス…だったとしても、俺らは一緒に戦うメンバーとして知っとくべきだろう?生で憑依見て戸惑ったのは事実なんだから!対策とか作戦とか色々考えていくべきだろう?」と主将は言う。
確かに私もそれは思う。自覚のない憑依型だったなら仕方ないがそうじゃない。
コンプレックスだって思ってたことじたいがショックだったけど。
「何でコンプレックスなん?」とお兄ちゃんが聞いた。
「…だっていきなり豹変して暴れ始めたらヤバイやつとか頭おかしいやつって思われそうで…」と乃木くんは言った。
確かに頭のおかしいやつには違いない。
でも、自覚があるならまた違う。幸哉さんみたいに武器にしてほしい。
「武器になるんだよ?コンプレックスだっていうのはやっぱり少しもったいないかなって私は思う」と私は言った。
「…はい。すいません」の乃木くんは謝った。
「まぁ、いい。憑依は疲れると思うし、次の試合からは前半6回までを乃木、7回から樹が投げる予定で調整してくれ」と主将に言われて、私と乃木くんは、はい!と大きく頷いた。
乃木くんはストレートから攻めていく。内角の際どいギリギリのラインを確実に決めてきた。
やるじゃん!中々…いい球…
バッターがバットにボールを当てられない。
当たってもせいぜいファールになり、タイミングは合っていない。
流れは確実にうちにある。
と、思った瞬間…バッターが大きな音色を響かせた。
いい当たりだ。最後にして魂のこもった一球って感じでどんどん飛距離を出してくる。
必死に追いかける先輩方…
私は祈るように試合を見つめた。
『どうか…アウトになってくれ…』と。
でも、そんな私の祈りは届くことなく、あっさり一点を取られてしまった。
かなりの長打だった。
悔しそうな乃木くん。歯を食い縛っている。
でも、乃木くんだけじゃない。
悔しいのは皆一緒だ。でも、まだ一点、徐々に詰められてはいるけどまだリードはある。
乃木くんならきっと大丈夫!
私は皆を、乃木くんを信じている。
けど、乃木くんはすでに気持ちを切り替えていた。
私は純粋に嬉しかった。県予選のマウンドに上がり、初戦にしてここまで戦いきった乃木くん。
随分成長も見られたし、私は誇らしかった。頼りになる後輩だなぁって。
諦めない粘り強さと、刻まれた絆…
乃木くんは綺麗に投げきった。
最後のボールはツーシームだった。
相手のバットが空をきり、ゲームセット…。
五点は取られたものの、初戦はなんとか勝ち取った。
乃木くんの頑張りで。
「お疲れさま~乃木くん良く頑張ったね!」と私は乃木くんに声をかけた。
「最後、ツーシームだったよな!?」と興奮気味に言う春馬先輩。
「そうでした。あれが決まったのは嬉しかったです。いい手応えを感じました」と乃木くんは笑った。
帰りのバスの中、主将が、
「何で憑依型だってこと黙ってんだよ!」と乃木くんに言った。
「…自分が憑依型だって知ったのは…小5の時だったんです。でも、それがコンプレックスで、誰にも言えなくて…でも、良く気づきましたね。隠してたつもりだったのに」と乃木くんは言った。
「俺らも最初は気づけなかったんだけど…藤堂さんが、間違いなく憑依型だって言うから…」と主将。
「プロにもいるしね。ウチのチームの幸哉がそうなんだよ。だから気づいた」とお兄ちゃんは言った。
「そうでしたか」と乃木くんは言った。
「…コンプレックス…だったとしても、俺らは一緒に戦うメンバーとして知っとくべきだろう?生で憑依見て戸惑ったのは事実なんだから!対策とか作戦とか色々考えていくべきだろう?」と主将は言う。
確かに私もそれは思う。自覚のない憑依型だったなら仕方ないがそうじゃない。
コンプレックスだって思ってたことじたいがショックだったけど。
「何でコンプレックスなん?」とお兄ちゃんが聞いた。
「…だっていきなり豹変して暴れ始めたらヤバイやつとか頭おかしいやつって思われそうで…」と乃木くんは言った。
確かに頭のおかしいやつには違いない。
でも、自覚があるならまた違う。幸哉さんみたいに武器にしてほしい。
「武器になるんだよ?コンプレックスだっていうのはやっぱり少しもったいないかなって私は思う」と私は言った。
「…はい。すいません」の乃木くんは謝った。
「まぁ、いい。憑依は疲れると思うし、次の試合からは前半6回までを乃木、7回から樹が投げる予定で調整してくれ」と主将に言われて、私と乃木くんは、はい!と大きく頷いた。