同じ空の下~想い描いた2人の夢~
私は主将に色々お話した。

野球を始めたきっかけや、春馬さんと出逢ったこと、片想いしてきたことも。

春馬先輩の夢の話や、乃木くんのこと、私の感じたあのときの想いとか…全てを話した。

主将はただ私の話を聞いてくれる。

「…それで、何故こんな話、俺にしようと思ったわけ?」と主将に言われた。

「…信じて欲しかった。ただ認めて貰いたかったんです。野球への熱を持ってやって来たバカに性別は関係ないってこと…春馬先輩に言われた時、正直嬉しかったんです。もし誰かが怪我して出れなくなったら代わりに戦ってくれないか?って…でも、ほんとは春馬先輩が1番そう感じてたんじゃないかって…限界が近いかもしれない。って…だから、私の本気を確かめたんじゃないかって…」と私が言うと。

「…そっか。ごめんな、俺…かなり傷つけてたな。乃木がキレてなかったらお前に多分キレられてたよな、多分。お前の想いは受け止めた」と主将は言ってくれた。

「俺さ、嬉しかったんだよね。俺に挑発的な目で俺を煽った君が。俺、野球に熱い想い持ってやって来ただけに女って認めたくなかったんだよ。最初。でもさ、食らいついてきたじゃん。いつも俺らの士気上げてたんだよな。それ気づいてさ、認めることにしたんだよ。誰よりも努力してきたんだって…練習終わってもマネージャーの仕事が終わってないっていつも残って色々してくれてることにはホントに感謝してる。だからこそ、皆で甲子園って思ってるんだよ。尚更ね」と紅茶を口にしながら主将は言ってくれた。

「…俺は自分を誇りに思ってプレーしてる。それは皆そうなんだろうって…だから、本気でやってるやつ、いじめたりはしないよ」と主将は笑う。

それを聞いて私は安心した。

「…主将、まだ春馬先輩には内緒なんですけど、後半のどこかのタイミングで春馬先輩起用してもらえませんか?最後の甲子園のマウンドで思い切り暴れてほしいんです。私の勝手な願望ですけど」と私が言うと、

「もちろん、そのつもりだよ。甲子園ではお前ら、三人が大暴れする…その映像を俺は見てるんだよ。ずっと…」と主将は笑ってくれた。

「…良かったです。実はそれに伴ってお願いが…。甲子園ではエースナンバー、春馬先輩につけてもらいたいんです。最後の試合ですし。私は甲子園までは先輩を連れていくと口実づけて、エースナンバー背負います。甲子園では彼にエースナンバーを…」と私が言うと、

「…で、お前は何番つけるよ?準備は整えとくぜ?」と先生が割って入ってきた。

「…お前の想い感じた。わかった。お前がそれでいいならそうしろ」と主将は言う。

「先生!なら、私13番つけさせて貰えませんか?」と私が言う。

「…13番か?意味は…あるのか?」と先生が聞く。

「私がプロとしてマウンドに上がる背番号です。私はずっと13番つけてきたので、気持ちもその方が楽なんです」私がそう言うと、

「わかったよ」と先生は納得してくれた。

「君がピッチャーなんだねー?フミヤが言ってた…化け物級の女子ピッチャーって…」とマスターに言われて照れてしまった。

「おい!化け物は褒め言葉じゃないだろう?照れるな」と主将に言われてしまう。

「藤堂兄妹、舐めたら痛い目にあうってこと、プレーで証明してやりますよ!」と私は言った。

そんな話をして、きっちり話し合った私たちは、先生に送ってもらって家に帰った。
< 31 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop