同じ空の下~想い描いた2人の夢~
翌日、予選3試合目を迎えた。

私を始め、皆がそれぞれの守備位置についた。

私は軽く肩を回し、深呼吸し、ボールを握った。

1球め、ストレートで攻める。ゴォォという大きな音を響かせ相手の所にボールは飛ぶ。

相手はバットを振れなかった。それもそのはず!

今の球…143㎞を電光掲示板には表示されていた。

私自身驚いた。えっ?そんなスピード出たの?って。

もちろんバッターはポカンとしていた。

私は負ける気がしなかった。勝てる!自信しかなかった。

2球め、3球めは様子見ながら投げる。

試合は、私の調子は絶好調だった。

昨日、主将と話せたからかもしれない。

相手に点数を与えず回は進んだ。

三回、四回、五回…両者無得点で試合は進む。

試合が動いたのは6回だった。

「お前ら、そろそろ本気出していくぞ!」と主将は言った。

「樹も調整して本気出してけよ?」と主将が言うと、

「今から本気出したら最後持たなく無いか?」と先輩が言う。

「アホなこと、言いな。樹やで?今から調整すれば、八回、九回はベストコンディションになるやろ?後半に強いんやから」と主将が言う。

「わかりました。そろそろ本気で潰しにかかります!」と私は宣言した。

宣言通り、主将の一言で試合は大きく動く。

あんなに苦しんでたはずのみんなの目の色が変わったように見えて、得点が…

三点?!も入っていた。えっ?皆すごーって感心してしまった私。

主将は笑っていた。

援護点をもらった私は更なる高みを目指して投げる。

落ち着いた球だ。しっかりした威力も回転もスピードも安定して出ていた。

相手に得点を入れさせなかった。

7回が始まった。しっかり得点していくうちの学校。

私は思わず口角上げて笑ったしまう。

『えっ?今笑った?!こんな時に?』と相手チームからの声が聞こえた気がした。

こうなったら完全に完封しかない!私はボールを握り直した。

そして、コンパクトに振りかぶり、投げた球はナックルボール。

相手に打たれてしまい、ヒットになった。

が、ここで動揺すれば投球が乱れると踏んだ私は、気にせず投げる。

ナックルカーブ。相手は気持ちがいいくらい空ぶった。

私は思わずガッツポーズしてしまった。

キレイな納得のいくナックルカーブを投げれた。

そして、相手を空振りでアウトにした。

最高だった。私のボルテージもだんだん上がってきた。

迎える八回、この回は無得点に終わったものの、5対0でラスト、最終回を迎えた。
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