同じ空の下~想い描いた2人の夢~
ラスト回もうちに得点は生まれなかったものの、リードをしっかり守ったまま、最終決戦に挑んだ私。

私はシンカーやシュート、スローカーブ、チェンジアップなど、実に様々な球種を使い分け、最後まで相手を翻弄し続けた。

相手が対策を取りにくいようにわざと、ランダムに球種を使い分け、対策されにくくした。

そして、ついに!!試合終了までアウト後ひとつ!

そう思った瞬間、球が浮いてしまい、完璧なコースに飛ばされてしまった。

ソロホームランだった…。

私は言葉失い、見守ってしまった。

切り替えなくちゃ!と思っても、このタイミングで打たれたホームランは私の精神を乱した。

けど、そんな私にベンチからヤジが飛ぶ。

「なんしとんねん!アウト後ひとつやろうが!気持ち引き締めんかい!」と。

お兄ちゃんだった。

春馬さんも横で大きく首を縦にふっていた。

そうだよね。今ソロ取られてもウチの勝ちはほぼ決まりよね?

うん。

私はボールを握った。選んだ球は、ストレートだ。140㎞を越えるスピード球…

相手の豪快なフルスイングにかすりもせず、ミットに収まる球…

試合終了! 最終結果は5対1で終了した。

私は今日は崩れることはしなかった。

なぜか立っていられた。一試合、一人で投げきったと言うのに。

完投にはなったけど、完封にならかったのは少し悔しさが残る。

でも、勝ちは勝ち!次の試合に向けてまた調整していかなければならない。

気持ちを切り替えていかなければいけない。

私は気持ちを強く持った。のだが心のどこかではやっぱりダメージがある。

「お疲れさま!完投だよぉ?もっと喜んでいいんだよぉ~」そう言って優しく抱き締めてくれるのはキャッチャーで。

「完封出来なかったのが悔しかったのか?でも、気にするなよ?深くは考えなくていい。誰でも打たれることはあるしな。それに、すごかったぞ?特に後半の攻め方…良く頑張った」と主将は褒めてくれた。

私は「ありがとうございます」と笑顔を見せた。

その後、一礼をし、グラウンドを後にした。

バスの中で私はお兄ちゃんに怒られた。

「気を抜くな!っていつもいってんだろう?お前の悪いクセだ。でも、今日の試合はいいもの見せてもらったよ!アイツにも見せてやりたかったな」とお兄ちゃんに言われた。

「…これで先輩も有名になっちゃいますね!話題性抜群…。女子ピッチャーの快進撃なんてね」と乃木くんは言った。

そんなことを言い合いながら、楽しい時間を過ごした。

バスが学校について皆は解散していく。

「しっかり体、休めろよ?明日は休みなんだから」と主将は言った。

皆ははーいと返事して帰っていった。

私はお兄ちゃんと家に帰り、ご飯を食べて、練習を始めた。今日打たれた球を重点的に修正するために。
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