同じ空の下~想い描いた2人の夢~
私は乃木くんと調整をした。

明日は乃木くん起用だから春馬先輩にはならないだろうと踏んで。

乃木くんの球の質、スピードは格段に上がり、磨きかかっていた。

出れなくてもしっかり練習してたことが良くわかった。

練習を終えた私達、

「さぁ、お前ら、明日も暴れるぞ」と主将が言って解散した。

私はいつものように、部室の掃除や後片付けに追われながら相手チームの分析をした。

明日当たる相手はかなりの強者揃いだ。

怪力のバッター、木製バットをいくつも折ってる伝説を持つ男がいる。パワーで飛距離を伸ばしていく、パワー系だ。盗塁が自慢の俊足もいる。全体の守備力も高い。

そして、何より厄介なのは、そう!強肩のピッチャーだ。

クセも強いが実力は確かなもので、中学時代も有名だった人物。

果たしてウチはそんな相手に勝てるのか?

そのために私は徹底した分析と解析をした。

うちには策士がいる。

私は相手チームの試合を何回も見た。

「そろそろ帰ろうか?」と春馬先輩が声をかけてくれた。

皆はとっくにいないし、お兄ちゃんも今日は来ていないので、私は頷いた。

久しぶりに春馬先輩と並んで歩く。

ドキドキが止まらない。

しばらく無言だったが春馬先輩が先に口を開いた。

ケガの経過、主将と話したこと、そして私を指名したホントのこと等を話してくれた。

嬉しい半面、苦しさが込み上げてきた。

春馬先輩の明後日から、最後までの3試合での登板が決まった。

と言っても、体のことを考えるとどうやら、2イニングを限界数とするらしい。

ここの判断は難しく、この数で調整することで、甲子園と言う舞台で暴れられるイニング数が変わるとのことらしい。

それは主将と話した上でそうなったらしい。

「ありがとな。ほんとはずっと気になってた。二人で何話してたんだろうって」と春馬先輩は言う。

「もしかしてそれが気になってたから待っていてくれたんですか?」と私が言うと、照れてうつむきながら何かをボソボソっと言っているが私には聞き取れなかった。

私はそれ見てまた少し嬉しくなった。

ちょっと妬いてくれたのかな?なんて自惚れて。

「個人の意見で言わせてもらえば、先発は乃木くん、中継ぎとして2イニング春馬先輩がいいのではないかと思います。私は最後のマウンドにあげてもらいたい」と私は自分の想いを告げた。

「俺もそう思った。先発が2イニングで終わるわけにはいかないし、最後を任されたら負担になりそうで、挽回出来なくなる。それなら中継ぎで間取れば打たれたとしても取り返せるからね」と春馬先輩は言った。

私は大きく頷いた。

多分それがいいって。

「主将には私から伝えさせてください!」とお願いすると、先輩は頼むと頷いてくれた。

そんな話をして家に帰った。
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