同じ空の下~想い描いた2人の夢~
翌日、お兄ちゃんは今日は来られないと、一緒に来ることはなかった。

バスの中で主将は作戦を発表する。

「昨日、樹がタブレットに送ってくれた解析、分析の映像等を見た。今までとは訳が違うと思った。そこでだ。今日の作戦だが…先発を樹に、抑えを乃木にしてもらおうと思う」と主将は言い出した。

「…えっ?随分思いきったことするねー」とキャッチャーが言う。

「明日からの3戦は中継ぎとして春馬にも出てもらうんだ。樹に甲子園のマウンドに春馬をあげてほしいと頼まれた。あまり回数を投げられない春馬をあげるには中継ぎとして、慣れさせる必要があると思ったんだ。明日からは先発を樹、中継ぎ、春馬、抑え、乃木に切り替える。今日はその為の練習だと思ってほしい。相手が相手なだけにいい試合が出きると思うからな」と主将は言った。

「…パワー系、俊足、守備、攻撃…確かに申し分なしだものね。あのピッチャーが未知数だけど」と私が言うと、

「エリートだろ?だが甘い。うちにはエリートと張り合えるピッチャーがいる」と主将は言った。

「確実に潰して明日に繋ぐぞ!」と主将は言って、私たちは大きく頷いた。


グラウンドに着いた私たちは一礼をし、中に入る。

相手を見ただけで怯みそうになるくらいの圧を感じた。

一瞬身震いする私に

「びびってんのかぁ?」と主将は言ってくる。

「…な訳、無いでしょう?凄いガタイの良さそうな人が多いチームだなって思っただけですぅ~」と私は言ったものの、身体の震えは治まらない。

「かっわいい~やっぱりそういうとこ、女の子なんだね~」とキャッチャーが私の頭をポンポンした。

「先輩大丈夫っすよ!最後は俺がキッチリ抑えますから、思い切り暴れちゃってくださーい」と乃木くんに言われた。

「心配ない。お前なら、楽しんで投げること!それが1番だろ?」と春馬先輩に言われて私は頷いた。

そう、勝つことを楽しむ!それは私のモットーだ。

私は改めて相手を見た。そして大きく深呼吸し、頷いた。

1回表は私たちからの攻撃だ。

でも誰も歯が立たず、あっさり3人で終わらされてしまった。

私は何も言えなかったし、考えられなかった。何が起こったのかも全くわからなかった。

凄い、あのピッチャー。

スピードもあるし、パワーもある。

攻略出来るのか、不安になった。

とりあえず、裏が始まるので、私はマウンドに上がった。

『いきなり女が投げるぞ!』と声が聞こえた。

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