同じ空の下~想い描いた2人の夢~
「予選の3試合に加えて、甲子園のマウンドでも投げることを考えてると、春馬に負担をかけられないと思ってな。万が一のことも考えると、1イニングがベストだと考えてる」と主将は言い切った。

「…俺、投げれるよ?」と言う春馬先輩に

「チームにバカは二人もいらん!一人にしてくれ。俺も苦しい決断をしたんだぞ?甲子園で1試合でも多く投げさせるために決めたことだ。拒否権は無い!」と主将は言い放ち、春馬先輩を制した。

「…と言うことは…7回ですか?」と私が言うと、

「そうだ!行けるか?8回を春馬に任せる。9回は乃木頼む!」と主将は言った。

「わかりました。思い切り暴れちゃってもいいですか?」と私が言うと、

「もちろんだ!好きなだけ暴れてくれ。そろそろ本気出して貰わないと困るよ?」と主将は言う。

気づいてたんだ。主将…

「言うなよ?それ以上は」と主将は私の言いたいことを汲み取ったのか、

何も言わせなかった。

「樹は打つ方でも打順が回るはずだ。スクイズでもバンドでも何でも好きにしてくれていい。もちろん、ホームランかましてくれてもいいし、とにかく納得行くまで盛大に暴れてこい!」と主将は言った。

「はい!」と私は意気込んだ。

そして、皆で一礼して中へと入った。

うちは後攻になった。

そして、私はすぐマウンドに上がることになった。

「なんか、今日のアイツ、やけに自信満々で楽しそうだったな」と主将が言う。

「…知り合いらしいです。ピッチャーの人」と春馬先輩は言う。

「だからか?あの自信に満ちた顔…」と主将は言った。

私はマウンドの上で体をならしていた。

調子は万全に整った。1球めツーシームから攻めてみた。

スピードはかなり出たものの、わずかに外れた。

思わず舌打ちしてしまった。

ストライク取れると思ったのに!!

けど、ここは平常心…私は深呼吸して2球めを投げた。

相手がきっちり降り後れてくれた。

私は勢いづき、調子に乗る。

そして、フライやゴロを出したものの、0点に抑え、私たちの攻撃へと移った。


この回、ランナーは出すも点は入らなかった。


その後は5回まで両者、チャンスを作ることも無く、0が刻まれていった。

そしていよいよことが動く。

6回表、私は三人でキッチリ抑え、私たちの攻撃を迎えた。

打順はキャッチャーから始まる好打順で私にも出番が回る。

私の前はキャッチャーでキレイにヒットを飛ばしてくれた。

チャンスで私に出番が回ってきた。

いよいよ私の本気が試される。

私は右のバッターボックスに立った。

深く深呼吸する。そして構えた。
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