同じ空の下~想い描いた2人の夢~
しばらくきっちり練習した後、

私と春馬先輩、乃木くんは主将に呼ばれた。

投手として甲子園のマウンドに上がる私たちへのエールを送りたいとのことだった。

「…まず、春馬から…」と主将は言うと、春馬先輩へ向けたメッセージを送った。

少し主将の目が潤んでる気がする。そしてつられるように春馬先輩もうるうるしている。

「ありがとう。楽しむ!」と春馬先輩は笑った。

「…次、樹な」と主将は言って、今度は私に向けられた。

女だからと実力を見ても認めたくない自分がいたことも、正直に話してくれた。

私がマネージャーに戻ることを志願してることも理解した上で、

マネージャーとして支えて貰い、選手としてパワーと勇気を貰ってきたと話してくれた。

そして、引退したら、マネージャーとして、後輩たちを支えて、力になってやってくれと。

そして、こう、付け加えられた。

「俺は、先発は樹しか考えて無いんだ。病み上がりの春馬に無理はさせてやりたくないから、お前と乃木だけの試合があってもいいと思ってる。お前ら投手を援護するのは、俺らだから。思い切りマウンドで暴れてくれ。1番得意としているマウンドだと聞いている。高校野球として甲子園に上がるのは初めてだが、上がりなれたマウンドなんだろう?」って。

私は大きく頷いて、はい!と返事した。

「最後に乃木…」と主将は乃木くんに語りかけた。

少し生意気だったなんて話しながら。

糧にして頑張れと最後を締め括っていた。

それぞれのことを思ったメッセージだった。

私たちは改めて頑張る決意をした。

そして、その後、私の宣誓の挨拶を考えてれた。

それが終わるころには暗くなっていた。

「いよいよだな!最高に楽しい、悔いの残らないものにしような!」と主将は言って解散した。

「…大丈夫か?」と春馬先輩が聞いてきた。

「春馬先輩も大丈夫ですか?」と私が言うと

「アイツの想い知れて良かった!」と春馬先輩は笑った。

私たちは手を繋いでゆっくり歩き始めた。

私は春馬先輩が無理し笑ってる気がしたが本人はそうじゃないと言っている。

主将が伝えたかったこと、ちゃんと理解してるからって。

それに…主将は私たちのことを誰よりも1番に考えてくれてる人だ。

こっちの想いもお見通しなわけで。

私はそうですね!楽しみましょうと笑った。

明日はいよいよ本番を迎える。

私たちは気合いを入れ直した。
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