同じ空の下~想い描いた2人の夢~
翌日、私はスッキリ目が覚めた。

緊張の1日が始まる。準備を整え、皆で朝食を取った。

少しして、開会式が始まった。

多くの観客にメディアが集まる中、ついに甲子園は幕を開けた。

私は、選手代表挨拶をし、全力で戦うことを改めて誓った。

私たちの初戦はお昼からとなった。

お昼までは各自調整していた。

私は春馬先輩と話ながら士気を高めていった。

そこに現れたのは幸哉さんとお兄ちゃん。

二人は私に声をかけてくれた。皐さんに会ったらしく、少し話したと言っていた。

幸哉さんはいきなり私に近づいて来たかと思うと、両手で私の頬を包み、

「…辛かったな…けどそれを力に変えてマウンドでは大暴れするんだぞ!お前は1人じゃない。お前を応援してるやつはたくさん居るんだから。自分らしく楽しんで」と言ってくれた。

「ありがとうございます」と私は言った。

お兄ちゃんは微笑ましそうに見つめていたが、春馬先輩は複雑そうな顔をしていた。

「…俺の大事な樹を傷つけるなんて…許せない…」と幸哉さんは怒ってくれていた。

「…あの~」と春馬先輩が言いかけた時、

「お前なぁ~いつまで樹に触れてるつもりだ?さっさと離れろよな!」とお兄ちゃんが言ったので、幸哉さんは私の頬から手を離してくれた。

「…あは、もしかして、妬いた?」と笑う幸哉さんに

「妬いてる。めっちゃ」とお兄ちゃんは返していた。

それを見て笑ってる春馬先輩。

「てかさ、彼氏の前でイチャつくの辞めたら?」とお兄ちゃんが言う。

春馬先輩を気遣って言ったのか、自分のことを言ったのかは私にはわからなかったけど、

「そうやね。ゴメンね。春馬、明…」と幸哉さんは言ったので、両方に対してだったんだと理解した。

私から離れた幸哉さんに私はあるお願いをしてみた。

「幸哉さん、グローブ持ってます?」と。

「…えっ?なんで?忘れた訳じゃないよな?」と言ってきた幸哉さんに、

「…あるけど…お守り代わりに出来れば貸してほしい」と私が言うと、

「わかった。車にあるから取ってくるわ」と幸哉さんは言ってくれた。

幸哉さんが使ってるメーカーのグローブは使い心地がとても良くて、手に馴染む。

「ありがとう!思い切り暴れます~」と私が言うと、

「春馬もな?最後の大会だろう?派手にかましてやれ」とお兄ちゃんが春馬先輩を激励した。

そして、2人は、また後で~と去っていった。

私は春馬先輩と歩いた。
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