同じ空の下~想い描いた2人の夢~
準備を始めた頃、

「樹~待たせた!」と来てくれた幸哉さん。

「あー、ありがとうございます!助かります~」と私は笑う。

「…ん?グローブか?お前…持ってなかったけ?」と主将聞かれて、

幸哉さんが説明をしてくれた。

私の大切なお守りなんだと…。

それを聞いて、皆は納得してくれていた。

観覧席ではもうすぐ、うちの試合が始まるとあって、皆のボルテージも上がってきているようで、凄い熱気に包まれていた。

私たちは深呼吸をした。

「緊張してんのか?」と春馬先輩が笑う。

「そんなことないですよ?ワクワクしてます!」と私が笑うと

「…ホント、肝座ってるよね、先輩」と乃木くんに言われた。

「楽しまなくちゃ、損でしょ?」と私は笑かけた。

そだねと乃木くんも笑った。いよいよ試合は始まった。

私たちの攻撃は後なのでそれぞれ守備位置へと散った。

私はマウンドに向かった。

私は深呼吸してマウンドに上がった。

私の第一球目ストレートから攻めた。

スピードは140前半をマークした。

しょっぱなから飛ばす私に会場は多いに盛り上がっている。

相手バッターは手を出せずにいた。

『これが女が投げる球かよ?!』って顔をしている。

私は挑発するように、ニヤリと笑った。

ここからは私の腕の見せ所…

私はあっさり、三人で終わらせた。

うちらの攻撃が始まる。

が、初回はさすがに誰も振らせて貰えなかった。

そう簡単に攻略出来そうな相手でもない…

私はとりあえず、きっちり仕事をするだけ!と自分に言い聞かせて、ボールを握り直し全力投球した。

私は順調な滑り出しを見せた。

そして、会場が大いに沸いた。

けど、両チーム譲ること無く、無得点のまま回だけは進んだ。

動いたのは5回裏、私たちの攻撃だった。

相手チームに少し焦りが見られ、相手チームのピッチャーの暴投が見られ始めた。

チャンスと言わんばかりに、うちのチームは冷静な判断をし、フォアボールで走者を出すと、立て続けにヒットを放ち、2点をもぎ取った。

そして、尚も続くチャンスで向かえる打者は主将だ。

完璧なフルスイングで特大アーチをかけるホームランをかまし、更に点を追加し、相手ピッチャーを引きずり下ろすことになった。

この回の大量得点で、私たちは弾みをつけた。

点数は5点になっていた。

ここで私たちの攻撃は終わった。

6回の表を向かえる。

私たちは話し合いをしていた。

「俺は、樹にこのまま完投して欲しい。今日の試合確実に勝つためには、それがベストだと思う」と主将は言い出した。

「…先輩はどうですか?」と乃木くんに聞かれた。

「…私は春馬先輩に投げて貰いたい。春馬先輩が甲子園のマウンドで暴れてる姿を見たいです」と私は言った。

「なら、この試合は樹が完投しろ。このまま行けば、勝てる!1回戦は突破できる」と春馬先輩は言う。

私は黙った。

「春馬の言うとおりだ。2回戦目、春馬を先発で上げる。お前なら中継でも、抑えでも問題無いだろう」と主将に言われて、

それならと私は納得した。

そして、私は続投を希望し、最後まで投げきることを皆と決めた。

そして、マウンドに向かった。

『おっと~、どうやら藤堂さん続投するようですね~』と解説者から聞こえた。

多分本音だろう。私は自分を信じ、仲間を信じ、思い切り投げた。


< 73 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop