恋を知らない花~初恋~
無事に会社では新入社員を迎えいれ、入社式のあとの会社研修ではこれからの働き方についてのスピーチしたり、具体的に自分が歩んで来た姿を講義したり、目標を立ててディスカッションしたり…今までの自分の仕事とかけ離れた仕事に胃がキリキリした。
でもひと月はあっという間に過ぎ、本当に楽しかった。

営業に回っていた頃より時間を管理しやすく早く帰れる日が多かった。
ジムに行く日も増え、拓也も合わせて来れる日はジムで合流した。

遅くなったら拓也が「おかえり」って迎え入れてくれるし、拓也が遅い日も必ず私の家に帰って来た。

2人で自炊し、私自身レパートリーも増えた。
美穂ちゃんは料理の先輩だからよく献立を聞いたり、隠し味を教えてもらったり今までと違った充実感があって楽しかった。

週末もほぼ休めた。
それに合わせて拓也も休んでくれてたんだと思う。
短期間だからこそ一緒に過ごしたいって言ってたし。

「ねぇ、そんなに私に合わせてて周りから怪しまれないの?今彼女がいるって噂されたら縁談が白紙になったりしない?」

気になってある日拓也に聞いてみた。

「あぁ、まぁ要領良くやってるから気づかれてないよ。毎日早く帰ってる訳じゃないし、もともと無駄な残業は好きじゃないからな。」

ってなんだかカッコいい事言ってた。
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