完璧御曹司の優しい結婚事情
「す、すみません。私が泣くなんて、おかしいのに……」

「いや。川村さんは、僕の代わりに涙を流してくれたんでしょ?ほら、男の僕は人前で泣くわけにはいかないから」

クスッと笑っておどけてみせた真田さんに、自分も自然と笑顔になっていた。

「香穂さんのご両親とお話できて、よかったですね」

「ああ。やっと自分の気持ちに区切りをつけることができたよ。あとは、香穂にも話をして来ようと思う」

「そうですね」


お店を後にして再び車に乗り込むと、香穂さんの眠る場所に向けて出発した。香穂さんのことがなんとなく気になって、真田さんに尋ねてみた。

「香穂さんって、どんな方だったんですか?」

「優しい子だったよ。そして、すごく強い子だった。辛いことばかりだっただろうに、弱音を吐くことなく、いつも前を向いていた。花が大好きで、暖かい日は可能な限り庭に出て花を眺めてた」

「じゃあ、香穂さんが気に入ってくれそうなお花を用意しないといけませんね」

「そうだね。近くに花屋があるから、そこで用意するつもりだよ」

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