完璧御曹司の優しい結婚事情
金曜日まで平常心で仕事をこなせたのは、真田課長に話を聞いてもらったからだと思う。あれがなかったら、きっとボロボロで仕事どころじゃなかったはず。



「お疲れさまでした。お先に失礼します」

金曜日、仕事を終えて席を立った。

「川村さん」

廊下の突き当たりでエレベーターを待っていると、後ろから真田課長に呼び止められた。振り返ると、やっぱり課長は穏やかな笑みを浮かべていた。一週間の疲れなんて一切感じさせない爽やかさだ。

「真田課長。お疲れさまです」

「ああ、お疲れさま。今週は辛かっただろうに、よく頑張ったね」

「課長が話を聞いてくださったので、なんだかすっきりして気持ちを切り替えられました。ありがとうございました」

「そうか。それならよかった。週末は実家へ?」

「はい。ちゃんとお別れをしてきます」

「気を付けて行ってきてね。来週からもらよろしく頼むね」

「はい」

「お疲れさま」

それだけ言うと、課長はオフィスへもどっていった。

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