完璧御曹司の優しい結婚事情
カフェを後にして一歩外に出ると、ようやくギラギラした暑さはわずかに和らいでいた。樹さんにエスコートされて助手席に乗る。さっきまでとは違う関係でここに座れることに、幸せを噛みしめた。

「葉月、夜は何か予定はある?」

「いえ、特にはないです」

「そう。じゃあ、もう少し一緒にいたいんだけど」

私の右手に、樹さんがそっと手を乗せて握ってくれる。その温かさにドキドキする反面、すごく安心する。

「わ、私も、もう少し一緒にいたいです」

ドキドキしながらわずかに上ずった声で、素直な気持ちを伝える。

「よかった。同じだ。どこか行きたいところはある?」

「……特には思いつきません」

「なら、僕のマンションでもいい?もう少しお互いのことを知りたいんだ」

さっき想いを伝え合ったばかりだというのに、もう部屋へおじゃまするって……
でも、樹さんのことをもっと知りたいのも事実だ。


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