完璧御曹司の優しい結婚事情
「ええー!!」

おもわず大きな声が出て、課内の人の視線を集めてしまった。顔が真っ赤になるのがわかる。

「し、失礼しました」

視界の端に、樹さんが笑いを堪えるかのように肩を揺すっているのが見える。きっと今のやりとりが何なのか、勘付いているのに違いない。


「さあ行くわよ」


佐藤さんに連れてこられたのは、会社の近くにあるパスタの美味しいお店だ。ここは数回ランチで来たことがある。
手早く注文を済ませて、早々に佐藤さんが口を開く。もう聞きたくて仕方がないっていうのが、ひしひしと伝わってくる。

「葉月ちゃん、いいことがあったわね?」

「え、えっと……」

「真田課長絡みで」

「な、なんでわかるんですか?」

「やっぱりね」

ハッとして口元を押さえるも、時すでに遅し。佐藤さんに、かまをかけられたことに気付いた。

「うまくいったのね?」

「……はい」

俯いて返事をする私の頭を、佐藤さんは「よかったわね」とぽんぽんとしてくれた。

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