完璧御曹司の優しい結婚事情
「川村さん、今日は注ぎに回る必要はないですからね。上司だろうが年下だろうが、気にしなくてOKな会ですから」

私の前の席にもどってきた玉田さんが、周りにも聞こえるぐらいの音量で告げた。
私の横は前島さんと、反対側は隣に座ったチームの鈴木さんだ。鈴木さんは前島さんと同期で、営業マンならではのノリのいい人だ。


しばらくして課長と部長も揃い、会を始めることになった。玉田さん達によって、今夜の会が部長のおごりだと発表されて、室内が大きく沸いた。

「今夜は、小林産業の案件を勝ち取った、真田課長のチームの祝勝会兼、日頃お世話になっているアシスタントの5名を労う会とさせていただきます。いつもお酌や注文に追われているアシスタントの皆様、今夜は一歩も動かないでください。我々男性陣が回らせていただきます。もちろん、部長も了承済みです」

玉田さんの宣言に、再び室内が沸いた。これは従った方がよさそうだ。へたに動けば、逆に叱られそう。


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