完璧御曹司の優しい結婚事情
翌日、部長から、今井さんが体調で休養することが告げられた。さすがにまだ妊娠初期だから、本当の理由は公表されなかった。
その後、部長に呼ばれて課長とともに3人で応接室へ入った。

「川村さん、昨日は付き添いご苦労だったね。ありがとう」

部長の横で、課長も頷いている。

「今井さんの妊娠のことは、ひとまずこの3人だけ知っているということで、表向きは体調不良ということにしておく。仕事をどうするか、体調を見ながら進めることになった。長期の休みを取ることになるかもしれない」

妊娠は、体調面も精神面も不安定になると聞く。この判断は当然のことだ。

「しかし、人員を補充することが難しい。そこで申し訳ないんだが、川村さんには大村主任のチームのサポートにもまわってもらいたい。知っての通り、まだトラブルが解決できていない。大変だと思うが、頼めるか?」

「はい。私にできることは、なんでもやらせていただきます」

「助かるよ」

ホッとした部長の横で、課長が口を開いた。

「川村さん、うちのチームのことだけでも忙しいのにごめんね。川村さんも、無理のない範囲でね」

「そうだな。頼んでおいてなんだが、川村さんまでダウンしたら、課が回らなくなってしまう」

「私、丈夫な方なので、大丈夫ですよ。頑張ります」

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