完璧御曹司の優しい結婚事情
「待たせたかな。ごめんね」

優しく微笑むと、真田課長は迷うことなく私の横に座った。

「課長、俺の参加を許可してくれて、ありがとうございます!!」

ご機嫌でお礼を言う前島さんの横で、鈴木さんが不満そうにしている。そんな様子に、課長は苦笑を漏らしていた。

「ははは。見つかってしまったからね。前島も、いつも僕の下で頑張ってくれているから、たまには労ってやらないとね」

「課長が神様に見えてきた」

調子のいいことを言う前島さんを、鈴木さんが軽くどつく。なんだかんだ言ってるけれど、この同期の2人は仲が良いのだろう。

「さあ、注文しようか」

そう言って、課長がメニューを広げてくれる。今日は飲みすぎることのないように、ビールは一杯だけにしておこうと、密かに心の中で誓った。

「ここ、俺よく来るんで、お勧めの頼んじゃいますよ。葉月ちゃんも、食べたいのがあったら言って」

よほど通っているのか、鈴木さんが慣れた様子で次々と注文をしていく。

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