年上同期の独占愛~ずっと側に
小野君には林君がらみでは何かと関わってばかりだ。
元々同期だから、良い意味で何でも分かりあっているとは思っていたが、恋愛沙汰でここまで事情を知られるのはかなり気まずい。しかし、小野君が立花さんについていてくれるのであれば心強いのも確かだ。

「萌々ちゃんのこと、守れなくてごめん。だけど、これからはこんなことがないようにするから。」

「うん。ありがとう。
大阪で気まずいまま別れて、そのあと林君はちゃんと私に向いてくれたのに、いつまでも意地になっててごめんなさい。
立花さんは自分の気持ちに正直に行動しててすごいな、って思ったんだ。
立花さんのことがあってから、っていうのも変なんだけど、私はちゃんと自分の気持ちと向き合ってなかったし、ちゃんと林君とも話をしてきてなかったって思ったの。
林君のこと、好きだよ。いつも優しくしてくれて、一緒にいると楽しくて。これからも一緒にいたいと思ってる。」

今日はちゃんと林君に言おうと思っていた。
林君に好きって言って、もしかしたら、立花さんとやり直すことにした、って言われるかも、と半分覚悟していた。それでも自分の気持ちは一度ちゃんと伝えたかった。

無言のままの林君を見て、やっぱりタイミングが悪いのかな、と思った。大阪に行く前もあんなに一緒にいたし、恐らく両想いだったのに、結局付き合わなかったし。しかしこれも運命だと受け入れるしかないか・・・と思っていたら、林君が両手を伸ばしてきて私の左手をギュっと握った。

「本当に・・・?・・・もうダメかと思ってた。
大阪では萌々ちゃんに嫌われるようなことしちゃったし、こっち戻ってからもずっと口説き続けてたのにつれないし、おまけに俺がちゃんとしなかったせいで立花さんがあんなこと・・・。今日は、もう会わないって言われると思ってたんだ。
本当に一緒にいてくれる?俺の彼女になってくれるの?」

うん。と頷くと、握った手にぎゅっと力を入れて、やった、と顔を赤くして私を見つめ優しく笑った。

ただ、一つだけ、気になっていることがあったので、思い切って聞いてみる。

「あのね、この前立花さんに言われたんだけど・・・私の元カレのこと。立花さんから色々聞いた?」

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