年上同期の独占愛~ずっと側に
会社を出てから待っている間、本でも読もうかと、先に本屋さんに寄ることにした。小説を1冊買い、本屋さんを出たところで、何だか揉めてるような男女がいた。

ここはオフィス街のため、土日はかなり人が少ないが、かといって全くいないわけでもない。遠目からでもかなり目立っているため、チラチラと通りすがりに見ている人たちもいる。林君との待ち合わせのカフェに行くには、あのカップルの横を通らなければならない。近づいていくと、何だか見たことのあるような男性で、嫌な予感がし、胸がザワザワしてくる。

更に近づくと、やはり間違いない、林君だ。そしてその横にいるのは・・・立花さん。お昼にコンビニから帰るときに見かけた二人はやはりこの二人だった気がする。背の高さといい、服の色といい、多分間違いない。それにしても、仕事中の林君を追いかけてきたんだろうか。立花さんも社員だから、承認さえもらえば他ビルも入館することはできる。

どうしよう。今は通り過ぎたほうがいい気がするが、体が動かない。
立花さんは林君の腕を掴んで身体をぴったりくっつけている。見ていてどんどん不快になる。ダメだ、ここには居たくない、と振り返って本屋のほうに戻ろうとすると

「萌々ちゃん!」

林君が私の名前を呼びながら走ってきた。

「どうしてこんなところに?仕事は?」

「少し早く終わったから、本読みながらカフェで待ってようと思って本屋さんに・・・」

「そっか。だったらこのまま行こうよ。予定どおり映画でいいよね。」

「うん。・・・だけど、あの。立花さんだよね?」

さっきから私を睨みつけている立花さんに視線を送り、林君に問いかける。

「話終わったから。行こう」

林君は私の手を掴んでグイグイ引っ張り、立花さんの横を通りすぎる。すれ違う時、立花さんが小さな声で林さん・・・とつぶやくのが聞こえた。

何があったのか、知りたいと思いつつ、聞くことができない。林君も話そうとしない。急遽選んだ映画は時間が迫っていて、慌ただしく席について。始まるのを待つ。その間も林君はずっと私の手を握ったままで離そうとしない。
私はこっそりため息をつき、話をするにしても、映画が終わってからだな・・・と、映画に集中することにした。

< 111 / 228 >

この作品をシェア

pagetop